引き継ぎの資料がまとまり、最終出社日まで残り数日になった。
あとは挨拶をして帰るだけ、と思っていると、入社先から「雇用保険被保険者証を出してください」と言われて、どこにあるかわからないことに気づきます。
受け取るのは、源泉徴収票、雇用保険被保険者証、年金の番号がわかるもの、必要な人は離職票と退職証明書です。
あいだが空いて国民健康保険に入る人は、健康保険資格喪失証明書も要ります。
返すものは社員証など会社から借りたもので、健康保険証と資格情報のお知らせは返さずに自分で破棄します。
源泉徴収票は、退職のあとに届く
源泉徴収票は、その年に会社から受け取った給与と、引かれた所得税が書かれた書類です。
国税庁の案内では、年の途中で退職した人には、退職の日以後1か月以内に交付することになっています。
最終出社日に手渡しされなくても、慌てることはありません。
届く先は、郵送なら登録している住所、会社によっては給与明細と同じ画面です。
引っ越しの予定があるなら、新しい送り先を伝えておきます。
出典: 国税庁「No.7411 「給与所得の源泉徴収票」の提出範囲と提出枚数等」
雇用保険の書類は、在職中に見ておく
雇用保険被保険者証
雇用保険に入っている人には、原則1人1つの被保険者番号が割り振られています。
転職しても同じ番号を引き継ぐため、転職先から雇用保険被保険者証の提出を求められる場合があります。
ハローワークは、できれば在職中に被保険者証があるかを見ておくよう案内しています。
自分の手元に見当たらなければ、辞める前に総務へ聞いておきます。
入社先から求められたときに、探し回らずに済みます。
出典: 愛知労働局 ハローワーク名古屋南「雇用保険被保険者証を再発行する方法は?(転職された方向け)」/ハローワークインターネットサービス「雇用保険の具体的な手続き」
離職証明書と離職票
会社がハローワークに出す「離職証明書」には、離職の前に本人が氏名を書くことになっています。
ハローワークは、そのときに離職理由などの書かれた内容も読んでおくよう案内しています。
書類を渡されたら、名前を書く前に理由の欄まで目を通します。
自分が伝えた理由と違う書き方になっていれば、その場で書き直しを相談します。
雇用保険法施行規則では、本人が離職票を希望しないときは、会社は離職証明書を添えなくてよいとされています(離職の日に59歳以上の人は別です)。
厚生労働省のリーフレットでは、基本手当などを受けたい人は、必ず「離職票交付あり」で届け出るよう会社に頼む、と書かれています。
総務から「離職票は要りますか」と聞かれることがあるのは、このためです。
次の職場が決まっていても、自分に要るかをその場で決めきれないときは、ハローワークで確かめてから返事をします。
出典: ハローワークインターネットサービス「雇用保険の具体的な手続き」/e-Gov法令検索「雇用保険法施行規則」/厚生労働省 リーフレット「2025年1月から、「離職票」をマイナポータルで受け取れるようになります!」
年金の番号がわかるもの
年金の番号がわかる書類は、人によって形が違います。
日本年金機構の案内では、2022年(令和4年)4月以降に初めて年金制度に加入した人には、「基礎年金番号通知書」が発行されています。
これは年金手帳に代わるものです。
すでに年金手帳を持っている人には通知書は発行されないので、年金手帳をそのまま保管します。
入社のときに会社へ預けたまま、という人もいます。
被保険者証と同じく、手元に無ければ辞める前に返してもらいます。
出典: 日本年金機構「基礎年金番号・基礎年金番号通知書・年金手帳について」
退職証明書は、頼めば出してもらえる
退職証明書は、会社が自動で出す書類とは限りません。
労働基準法22条では、退職のときに次の項目について証明書を請求すれば、会社は遅滞なく交付しなければならないとされています。
項目は、使用期間、業務の種類、その事業での地位、賃金、退職の事由です。
同じ条には、本人が請求していない事項を書いてはならない、という決まりもあります。
転職先から在籍の期間を示す書類を求められたときなどに使えます。
頼むときは「使用期間と業務の種類を書いた退職証明書をお願いします」のように、書いてほしい項目と送り先を添えます。
必要になりそうなら、最終出社日までに頼んでおくと手間がかかりません。
頼んでも出してもらえずに困ったときは、各地の労働局にある総合労働相談コーナーで相談できます。
予約は要らず、無料で、面談か電話で対応してもらえます。
出典: e-Gov法令検索「労働基準法」/厚生労働省「総合労働相談コーナーのご案内」
健康保険証まわりは、返すものが減った
厚生労働省によると、従来の健康保険証は2024年12月2日以降は新しく発行されていません。
有効期限も2025年12月1日で終わっていて、マイナ保険証を基本とする仕組みに移っています。
協会けんぽ石川支部の案内(2025年12月2日から)をもとに分けると、次のとおりです。
返さずに自分で破棄するもの: 健康保険証、資格情報のお知らせ、有効期限が切れた資格確認書。
加入先に扱いを聞くもの: 有効期限内の資格確認書。
資格確認書が使えるのは退職日までで、退職日の翌日からは在職中の保険資格では受診できません。
3月20日に退職した場合なら、3月21日以降は使えないということです。
会社の健康保険組合に入っている人は、ここに書いた扱いを加入先に聞きます。
加入先の名前は、総務に聞けばわかります。
国民健康保険に入る人は、健康保険資格喪失証明書を頼む
退職日から次の入社日まであいだが空き、国民健康保険に入る人は、健康保険資格喪失証明書が要ります。
横浜市の案内では、誰が、何の保険を、いつ喪失したかがわかる書類であれば、形式は問わないとしています。
ただし、会社か健康保険の保険者が出したものに限られます。
国民健康保険に入る人は、退職のときに会社に頼んでおきます。
出典: 厚生労働省「マイナンバーカードの健康保険証利用(マイナ保険証)について」/全国健康保険協会(協会けんぽ)石川支部「健康保険証等の返却について(令和7年12月2日より)」/全国健康保険協会(協会けんぽ)宮城支部「《就職、退職》マイナ保険証や資格確認書の使用について」/横浜市「会社を退職して国民健康保険に加入したいのですが。」
会社から借りているものを返す
社員証や入館証、会社の名刺、貸与されたパソコンや携帯電話は、最終出社日に返すものです。
営業職なら、社用車の鍵や、取引先から預かった資料も入ります。
何をいつ誰に返すかは会社の決まりで変わるので、総務・人事に一覧をもらっておくと漏れが出ません。
貸与の端末は、返す前に中身を私物のものと分けておきます。
仕事のデータは社内に残し、私物の端末や自宅に持ち出すことはしません。
社員証は最終出社日の帰りまで使うので、返すのは最後になります。
最終出社日までのチェック一覧
受け取る・手元にそろえるもの
1. 源泉徴収票の送り先を伝えた
2. 雇用保険被保険者証が手元にある
3. 離職証明書の離職理由の欄を読んでから名前を書いた
4. 離職票が要るかを決めて、会社に伝えた
5. 年金手帳か基礎年金番号通知書が手元にある
6. 退職証明書が要るなら、項目を添えて頼んだ
7. 国民健康保険に入るなら、健康保険資格喪失証明書を頼んだ
返す・片付けるもの
8. 組合健保の人、期限内の資格確認書がある人は、加入先に扱いを聞いた
9. 社員証・入館証・名刺を返した
10. 貸与のパソコン・携帯電話・鍵を返した
帰ったら、書類の引き出しを開ける
家でできるのは、2番と5番です。
書類をしまっている引き出しや、入社のときにもらった封筒を開けます。
雇用保険被保険者証と、年金手帳か基礎年金番号通知書を探し、見つかったものをクリアファイルに一つにまとめます。
見つからなかったものは、付箋に書いて、次の出社日の朝に総務の席へ持っていきます。
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