引き継ぎの予定を組んでいたら、次の会社の入社日まで、2週間ほど空くことになった。
給与明細には、毎月「雇用保険」の欄で保険料が引かれている。
その空いた日に、雇用保険から何か受け取れるのかが気になってくる。
退職日の翌日に入社するなら、「失業の状態」の日が無いので、基本手当を受け取る場面になりません。
あいだが空いても、求職の申込み後の失業の状態にある7日間は支給されず、これを待期といいます。
自分から辞めた場合は、そのあとさらに原則1か月の給付制限があります。
数週間の空きなら、受け取れる前に入社日が来ることが多くなります。
出典: ハローワークインターネットサービス「雇用保険の具体的な手続き」
基本手当は「失業の状態」にある人に出る
会社を辞めたあとに雇用保険から受け取るお金として、まず名前が挙がるのが基本手当です。
ハローワークの案内では、支給を受けるには「失業の状態」にあることが要るとしています。
中身は、ハローワークに来所して求職の申込みをし、就職しようとする積極的な意思があることです。
そのうえで、いつでも就職できる能力があるのに、職業に就くことができない状態を指します。
加入していた期間の条件もあります。
厚生労働省のQ&Aでは、受給資格には原則として、離職前2年間に被保険者期間が12か月以上必要です。
被保険者期間の数え方には注記が付いていて、細かい決まりがあります。
転職を何度かしている人や、途中で働き方が変わった人は、自分の期間がどうなるかをハローワークで確かめます。
出典: ハローワークインターネットサービス「基本手当について」/厚生労働省「Q&A~労働者の皆様へ(基本手当、再就職手当)~」
退職日の翌日に入社するなら
退職日の翌日から次の会社で働き始めるなら、職業に就けない日がありません。
基本手当の前提になる「失業の状態」の期間が無いので、受け取る場面そのものが出てこない、という整理になります。
在職中に内定をもらった会社へそのまま移る場合、あとで触れる再就職手当も対象外です。
翌日入社が決まっている人は、この先の給付制限の話は読み飛ばしてかまいません。
出典: ハローワークインターネットサービス「基本手当について」
あいだが空くときの受給資格と待期
退職日と入社日のあいだが空く場合も、基本手当の条件は同じです。
離職前2年間の被保険者期間が原則12か月以上あることが前提になります。
そのうえで、ハローワークで求職の申込みをして、「失業の状態」にあることが要ります。
求職の申込みをしても、すぐに支給が始まるわけではありません。
申込み後の、失業の状態にある7日間は支給されず、これを待期といいます。
あいだが1週間ほどなら、手続きを済ませても、待期のうちに入社日が来ることになります。
迷いやすいのは、入社日がもう決まっている人が、あいだの期間に「失業の状態」に当たるかどうかです。
人によって事情が違うところなので、入社日が決まっていることを伝えたうえで、ハローワークの窓口で確かめます。
受けられる期間にも区切りがあります。
基本手当を受けられる期間は、原則として離職の翌日から1年間です。
転職活動が長引いてあいだが延びそうな人は、この1年の枠を頭に置いておきます。
出典: ハローワークインターネットサービス「雇用保険の具体的な手続き」/ハローワークインターネットサービス「基本手当について」
自己都合で辞めるときの給付制限
転職のために自分から辞めるときにかかわってくるのが、給付制限です。
正当な理由のない自己都合で離職した場合、待期のあとも、決められた期間は基本手当が支給されません。
その期間は、離職日が2025年4月1日以降なら原則1か月です。
2025年3月31日以前に離職した場合は、原則2か月でした。
ただし、3か月になる場合があります。
厚生労働省のリーフレットでは、離職日からさかのぼって5年間のうちに2回以上、正当な理由なく自己都合離職し受給資格決定を受けた場合としています。
懲戒解雇された場合も、3か月です。
この「5年間のうちに2回以上」は、辞めた回数だけを数える言い方にはなっていません。
正当な理由のない自己都合離職で、受給資格決定を受けたことまで含めた条件です。
これまでに自分から辞めてハローワークで手続きをしたことがある人は、その年月を履歴書の職歴欄と照らし合わせておきます。
待期の7日間に給付制限の1か月が続くと、あいだが1か月あまりの人は、支給が始まる前に入社日が来ることが多くなります。
2週間ほどの空きなら、なおさらです。
出典: 厚生労働省「雇用保険(基本手当)受給案内リーフレット」(PDF)/厚生労働省「Q&A~労働者の皆様へ(基本手当、再就職手当)~」
教育訓練を受けると解除される場合
2025年4月からは、給付制限が解除されるしくみもできています。
対象は、教育訓練給付の対象講座や公共職業訓練などの教育訓練等で、2025年4月1日以降に受講を始めたものに限られます。
これを離職の日前1年以内に受けた人、または離職の日以後に受けている人が当たります。
解除されるのは、訓練を受ける期間と、受け終わった後の期間です。
途中で退校した場合は当たりません。
出典: 厚生労働省「雇用保険(基本手当)受給案内リーフレット」(PDF)
再就職手当は、在職中に内定した会社では出ない
再就職手当は、基本手当の支給日数を残して就職したときの手当です。
厚生労働省のQ&Aには、要件の一つとして「受給資格決定(求職申し込み)前から採用が内定していた事業主に雇用されたものでないこと」とあります。
退職する前に内定をもらった会社は、ハローワークで手続きをする前から内定が出ている会社です。
その会社に入る場合は、あいだが空いていても、再就職手当の対象になりません。
ほかにも、1年を超えて勤務することが確実と認められること、待期満了後の就職であることなどが要件に入っています。
退職したあとに別の会社を探し直す人が関わってくる話です。
出典: 厚生労働省「Q&A~労働者の皆様へ(基本手当、再就職手当)~」
ハローワークで聞くこと
基本手当の手続きをするかどうか迷うときは、入社日を相談するのと同じころにハローワークへ問い合わせます。
最初に「〔〇〇〕月〔〇〇〕日に退職し、〔〇〇〕月〔〇〇〕日に次の会社へ入社が決まっています」と伝えると、話が早く進みます。
聞くことは、次の3つに絞れます。
1. 入社日が決まっているとき、あいだの期間に「失業の状態」として扱われるか
2. 自分の被保険者期間が、離職前2年間で12か月以上になるか
3. 過去の離職と手続きの記録から、給付制限が1か月か3か月か
2番と3番に答えてもらうには、今の会社に入った年月と、その前の会社を辞めた年月が要ります。
転職活動のために作った履歴書や職務経歴書に、そのまま書いてあります。
問い合わせの前に、その欄を開いておけば、思い出しながら答えずに済みます。
入社日を返事する前に数えるもの
内定先に入社日を返事する前に、スマホのカレンダーで退職日と入社日を並べ、あいだの日数を数えます。
1週間ほどなのか、1か月を超えるのかで、ハローワークに問い合わせる意味が変わってきます。
数えた日数は、カレンダーの退職日の予定を開いて、メモ欄に打ち込んでおきます。
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