退職は何日前に伝える? 就業規則の期限と2週間から言う日を逆算する

退職は何日前に伝える? 就業規則の期限と2週間から言う日を逆算する 退職を言い出せない

退職を伝えるタイミングに、誰にでも当てはまる正しい日はありません。
決めやすいのは、先に「辞める日」を置いて、そこからさかのぼって言う日を出すやり方です。
今日やるのは、労働条件通知書か雇用契約書の「契約期間」の欄と、就業規則の退職の項を開き、カレンダーに日付を3つ書き込むことです。
上司の機嫌や職場の空気は、その3つが決まってから見れば足ります。

「いい時期」を探しているあいだに、言う日は遠のく

「繁忙期が終わってから」「来月の面談のときに」と考えていると、次の繁忙期や次の面談がすぐに来ます。
時機を待つ考え方そのものを手放す話は、時機を待たずに言う日を決める段取りに書きました。
この記事では、言う日を「辞める日の何日前」にするかを、契約と条文から決めていきます。

最初に「契約期間」の欄を見る

労働条件通知書か雇用契約書を出して、「契約期間」の欄を探します。
「期間の定めなし」とあれば、次の見出しに進んでください。
「2026年4月1日から2027年3月31日まで」のように期間が書いてあれば、考える順番が変わります。

期間の定めがある雇用で、契約の途中で辞めるには、原則として会社との合意か、民法628条の「やむを得ない事由」が要ります。
条文は、雇用の期間を定めた場合でも、やむを得ない事由があれば直ちに契約を解除できると定めています。

出典: e-Gov法令検索「民法」第628条をもとに当サイトが要約

ただし、道はこの2つに限りません。
期間が1年を超える契約なら、労働基準法137条(附則)により、契約の初日から1年たった日以後は、会社に申し出ればいつでも辞められます。
一定の事業の完了までの契約と、14条1項各号に規定する労働者は、この扱いから外れます。
14条1項各号に誰が当たるかはここでは条文を載せていないので、当たりそうなら総合労働相談コーナーで確かめてください。
残りの期間が短いなら、期間の終わりの日で辞める形もあります。

出典: e-Gov法令検索「労働基準法」第137条をもとに当サイトが要約

期間の定めがないなら、2週間は「届いた日」の翌日から数える

民法627条では、期間の定めのない雇用は、辞める申し入れから2週間で終わります。
会社の承諾は要りません。
この2週間は、申し入れを送った日から数えるのではありません。
民法97条で、意思表示は通知が相手に届いた時から効力が生じるので、会社に届いた時から数えます。
さらに民法140条で、期間の初日は数えません。

出典: e-Gov法令検索「民法」第627条・第97条・第140条をもとに当サイトが要約

たとえば11月2日(月)に上司へ口頭で伝えたなら、数え始めは翌日の11月3日で、11月16日が終わると2週間がたちます。
郵送で出すなら、ポストに入れた日ではなく、会社に届く日で計算し直します。

就業規則に「退職は1か月前までに申し出ること」のような項が入っていることもあります。
これは会社の決まりで、条文の2週間とは別のものです。
引き継ぎや人の手配を考えて、合わせられるなら会社の期限に合わせると、話を進めやすくなります。
体調や次の入社日の都合で合わせられないとき、会社の期限にどこまで従う必要があるかは、この記事では言い切れません。
迷ったら、後で書く総合労働相談コーナーで自分の場合を聞いてください。

カレンダーに書く3つの日付

  1. 辞める日(次の入社日が決まっていればその前日まで、決まっていなければ「この日までには」と思える日)
  2. 期限の日(辞める日から、就業規則の日数をさかのぼった日、項が見つからなければ、2週間をさかのぼった日)
  3. 言う日(期限の日より前で、上司と15分話せる日、その前日に「面談を頼む日」も書く)

辞める日を12月25日(金)に置くと、1か月前は11月25日です。
2週間で見ると、12月11日に届いていれば12月25日が終わった時点で2週間がたちます。
会社の期限に合わせるなら、言う日は11月20日(金)、面談を頼むのは11月19日(木)のように置けます。
言う日が期限の日より後ろにずれたら、辞める日を後ろへ動かすか、2週間の線で置き直すかを選びます。
賞与や入社日との並べ方は、在職中の転職で退職日を決める順番で扱っています。

前日に送る文面と、当日の最初の一言

面談を頼むのは、チャットか社内メールの短い文で足ります。

お疲れさまです。
明日、15分ほどお時間をいただけないでしょうか。
今後のことでご相談したいことがあります。

当日は、前置きを長くせずに日付から入ります。
退職日を言っておくと伝わりやすくなります。

お時間ありがとうございます。
12月25日付で退職したいと考えていて、今日はそのお話をしに来ました。

最初の30秒の組み立ては、上司に退職を切り出す最初の一言に詳しく書いています。
口頭だけだと、いつ伝えたかが後で分からなくなります。
面談のあと、同じ日のうちにメールでも送り、送信記録を保存してください。
会社からの返信など、届いたことを確認できる記録も残してください。
送った記録だけでは、会社に届いた日まで確かめられるとは限りません。

件名: 退職についてのご連絡
本日の面談でお伝えしたとおり、2026年12月25日をもって退職したく、ご連絡いたします。
引き継ぎの予定は、あらためてご相談させてください。

眠れない・体が動かないなら、日付より先に

眠れない、朝に体が動かない、といった状態が続いているなら、退職の段取りより先に病院を受診してください。
誰かに話を聞いてほしいほど追い詰められているなら、この記事の最後に、24時間受け付けている電話の窓口を載せています。

上司に自分で言うのがどうしても無理なら、退職代行という手もあります。
民間企業が運営する退職代行に頼めるのは、退職の意思を伝えるところまでです。
退職日の交渉や未払いの賃金の請求が要るなら、弁護士に相談してください(労働組合が団体交渉をする道もあります)。
弁護士法72条は、弁護士・弁護士法人でない者が、報酬を得る目的で、法律事件に関する法律事務を取り扱うことや、その周旋を業とすることを、原則として禁じています。

出典: e-Gov法令検索「弁護士法」第72条をもとに当サイトが要約

自分の契約に628条や137条がどう当てはまるか、就業規則の期限をどう扱えばいいかを聞く先には、労働局や労働基準監督署にある総合労働相談コーナーがあります。
厚生労働省の案内では、解雇やいじめ・嫌がらせ、パワハラなど、あらゆる分野の労働問題を対象とし、専門の相談員が面談か電話で対応するとしています。
退職の連絡を代わりにしてくれる窓口ではありません。

出典: 厚生労働省「総合労働相談コーナーのご案内」をもとに当サイトが要約

今日と今週の手順

今日は、次の2つだけ済ませます。

  1. 労働条件通知書か雇用契約書の「契約期間」の欄を見る
  2. 就業規則の退職の項を探し、「何日前」と書いてあるかを確かめる

「期間の定めなし」なら、今週のうちに辞める日を決め、会社の期限と2週間の両方でさかのぼった日をカレンダーに書きます。
言う日はその手前に置き、前日に面談を頼む文面を送ります。

期間の定めがあるなら、契約の初日と終わりの日を書き写します。
契約期間が1年を超えていて、初日から1年たっているなら、137条の扱いから外れる契約や人に当たらないかを確かめます。
137条の扱いに当たらないなら、会社と合意して辞める日を相談するか、期間の終わりで辞めるかを選び、迷う点は総合労働相談コーナーに聞きます。

眠れない日が続いているなら、今週やるのは日付の計算より受診の予約です。

カレンダーの「辞める日」の欄に、今日のうちに日付を1つ書き入れてください。

死にたい、消えたいと思うほどつらいときは、退職の段取りより先に、次の電話で話してください。
どの窓口も、24時間受け付けています。
つながりにくいときは、もう一方の番号にもかけてください。

  • #いのちSOS(特定非営利活動法人 自殺対策支援センターライフリンク): 0120-061-338(フリーダイヤル・無料・24時間 365日)
  • よりそいホットライン(一般社団法人 社会的包摂サポートセンター): 0120-279-338(フリーダイヤル・無料・24時間対応、050で始まるIP電話からは 050-3655-0279(24時間対応))

出典: 厚生労働省「まもろうよ こころ」電話相談窓口をもとに当サイトが要約(2026-10-23 確認)

アイキャッチのイラストはAI生成です。

コメント

タイトルとURLをコピーしました