退職を言うタイミングは、待っていても向こうから来ません。
決めるのは2つだけで、いつまでに言うかという期限と、その期限の内側で上司の予定が空いている10分の枠です。
今日やることは、労働条件通知書か雇用契約書の「契約期間」の欄を見ることと、上司の今週と来週の予定表から候補の枠を2つ書き出すことです。
枠が決まれば、あとは最初の一言を紙に書いておくだけになります。
言う日の期限を、契約期間の欄から決める
手元の労働条件通知書か雇用契約書を開き、「契約期間」の欄を見ます。
「期間の定めなし」に丸が付いていれば、期間の定めのない雇用です。
この場合、辞める申し入れはいつでもでき、会社の承諾は要りません。
雇用は、申し入れの日から2週間が過ぎると終わります。
出典: e-Gov法令検索「民法」第627条をもとに当サイトが要約
2週間を数えはじめるのは、申し入れを送った日からではありません。
申し入れは会社に届いた時に効力が出て、その届いた日は数えず、翌日から数えます。
たとえば10月28日に上司へ届いたなら、29日が1日目です。
出典: e-Gov法令検索「民法」第97条・第140条をもとに当サイトが要約
そのうえで、就業規則に「退職は〇日前までに申し出る」のような決まりがあるかも見ておきます。
書いてあれば、その日数も期限の候補に入れて、言う日を逆算します。
就業規則の日数と2週間のどちらで考えればよいか迷うなら、自分の場合として総合労働相談コーナーで聞けます。
退職日を入社日や賞与と並べて決める順番は、在職中の転職で退職日を決める順番に書きました。
期限が決まったら、手帳かスマートフォンのカレンダーに「この日までに言う」と1行書きます。
その日付の1週間前にも印を付け、そこまでに枠が取れていなければ、その日を次の週の枠を決める日にします。
「期間の定めあり」で、契約の途中で辞めたいなら、原則として会社との合意か、民法628条のやむを得ない事由が要ります。
ただし、道はこの2つだけではありません。
期間が1年を超える契約なら、契約の初日から1年たった日以後は、会社に申し出ればいつでも退職できます。
一定の事業の完了までの契約と、労働基準法14条1項各号にあたる人(専門職や60歳以上の人)は、この扱いから外れます。
契約の初日から今日までに1年が過ぎているかを、通知書の日付で確かめます。
出典: e-Gov法令検索「民法」第628条をもとに当サイトが要約/e-Gov法令検索「労働基準法」第137条をもとに当サイトが要約
何曜日の何時に言うかは、上司の予定表で選ぶ
曜日や時間帯に、どの職場にも当てはまる正解はありません。
見るのは、自分の上司の予定表と、自分の職場の忙しい日です。
共有の予定表が無ければ、ホワイトボードの行き先や、朝礼で出る予定を手帳に写します。
候補にする枠は、次の条件で絞ります。
- 話のあとに、上司の会議や外出が30分以上入っていない
- 締め日、棚卸し、月末の請求など、自分の職場の山の日を外している
- 人事評価の面談や、異動の発表の直後ではない
- 会議室や面談室など、ほかの人に聞こえない場所を取れる
- 言ったあと、席に戻らずに帰れるか、落ち着ける時間がある(終業の30分前など)
シフト勤務で上司と重なる時間が短い職場なら、次のシフト表が出た日に、上司と自分が同じ時間に入っている日へ印を付けます。
重なる日が期限までに1日も無ければ、出勤前か退勤後に15分だけ時間をもらえるかを、先に頼んでおきます。
条件をすべて満たす枠が無い週もあります。
その場合は、条件のうち上司の予定と職場の山の日の2つを満たす枠を選びます。
候補は第1と第2の2つを手帳に書き、第1が流れた日のうちに第2を確かめます。
良い時機を待つのをやめて日を先に置く考え方は、退職をなかなか言い出せないとき、時機を待たずに言う日を決める段取りにまとめています。
枠をもらう一言と、面談の最初に言う文
枠は、前日か当日の朝に、口頭か社内のチャットでもらいます。
用件に「退職」と書くかどうかは、職場の雰囲気で決めてかまいません。
書かないなら、「ご相談」とだけ書いておけば足ります。
【枠をもらう一言】
お忙しいところすみません。
明日の16時半から10分ほど、お時間をいただけますか。
今後のことで、ご相談したいことがあります。
【面談の最初に言う文】
お時間をいただき、ありがとうございます。
私事で恐縮ですが、退職させていただきたいと考えています。
退職日は12月15日を希望しています。
引き継ぎの進め方は、ご相談しながら決めたいと思っています。
【「今は忙しい」と言われたら】
承知しました。
では、明日か明後日で、10分いただける時間を教えていただけますか。
退職日は、書いておくと伝わりやすいというだけのものです。
まだ決めきれていなければ、「〇月末ごろを考えています」でも話は始められます。
頼み方や最初の30秒の言い方をもっと細かく決めたいなら、上司に退職を切り出す最初の一言を先に読んでおくと、当日に言葉を探さずに済みます。
枠がいつまでも取れないとき
上司と1対1になる場面そのものが怖いなら、面談の枠にこだわらなくてかまいません。
メールや書面で先に伝える段取りは、上司と1対1で話さずに伝える段取りに書きました。
眠れない日が続く、朝に体が動かないといった状態なら、言う日を決める前に、まず医療機関を受診します。
退職の段取りは、受診のあとでも組めます。
いま追い詰められているなら、この記事の最後に、24時間受け付けている電話の窓口を載せています。
民間企業が運営する退職代行に頼めるのは、退職の意思を伝えるところまでです。
弁護士法72条は、弁護士・弁護士法人でない者が、報酬を得る目的で、法律事件に関する法律事務を取り扱うことや、その周旋を業とすることを、原則として禁じています。
退職日や有給の扱いの交渉、未払いの賃金の請求まで要るなら、弁護士に相談します。
労働組合に入って、団体交渉をしてもらう道もあります。
出典: e-Gov法令検索「弁護士法」第72条をもとに当サイトが要約
自分の契約や就業規則の場合にどう考えればよいかは、労働局や労働基準監督署にある総合労働相談コーナーで聞けます。
職場のトラブルの相談や、解決のための情報提供を一か所で受け付けている窓口で、予約は要らず、無料です。
退職の連絡を代わりにしてくれる窓口ではないので、伝えるのは自分か、上に書いた代理の人になります。
出典: 厚生労働省「総合労働相談コーナーのご案内」をもとに当サイトが要約
今日と今週の手順
まず今日、労働条件通知書か雇用契約書の「契約期間」の欄を見ます。
そこから先は、書いてあった内容で分かれます。
「期間の定めなし」なら、就業規則の退職の欄も開き、言う日の期限を手帳に書きます。
今週のうちに上司の予定表から第1と第2の枠を選び、前日か当日の朝に枠をもらう一言を送ります。
面談の最初に言う文は、上の枠の中の文を紙に写して持っていきます。
「期間の定めあり」なら、契約の初日と期間の長さを確かめます。
期間が1年を超えていて、初日から1年が過ぎ、一定の事業の完了までの契約でも労働基準法14条1項各号にあたる人でもなければ、上と同じ順で枠を選びます。
そうでない場合や、14条1項各号にあたるか分からない場合は、会社と合意して辞める日を相談する面談として枠を取り、迷う点は総合労働相談コーナーで先に聞いておきます。
眠れない、体が動かないという状態なら、今週の予定には受診を先に入れます。
枠を選ぶのは、そのあとで間に合います。
上司の来週の予定表を開いて、空いている10分を2つ、手帳に書いてください。
死にたい、消えたいと思うほどつらいときは、退職の段取りより先に、次の電話で話してください。
どの窓口も、24時間受け付けています。
つながりにくいときは、もう一方の番号にもかけてください。
- #いのちSOS(特定非営利活動法人 自殺対策支援センターライフリンク): 0120-061-338(フリーダイヤル・無料・24時間 365日)
- よりそいホットライン(一般社団法人 社会的包摂サポートセンター): 0120-279-338(フリーダイヤル・無料・24時間対応、050で始まるIP電話からは 050-3655-0279(24時間対応))
出典: 厚生労働省「まもろうよ こころ」電話相談窓口をもとに当サイトが要約(2026-10-23 確認)
アイキャッチのイラストはAI生成です。



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