親に反対されそうで会社に辞めると言い出せないなら、親に言いたいのが「報告」か「相談」か「頼みごと」かを先に決めてください。
それで、会社と親のどちらに先に言うかを考えやすくなります。
会社に申し出ること自体には、親の了解は要りません。
今日やるのは、親に言いたいことを紙に1行で書くことと、雇用契約書の「契約期間」の欄を見ることです。
親に言うのは、報告か、相談か、頼みごとか
親に反対されるのが怖いとき、親に言うことと会社に言うことが、ひと続きの話になっていることがあります。
親の了解をもらってから会社へ、という順番は決まりではないので、親に何をしてほしいのかを先に分けます。
報告 → 決めたことを知らせる(了解はもらわなくてよい)
相談 → 決める前に意見を聞く(返事しだいで考え直す余地を残す)
頼みごと → 実家に戻る、家賃を借りるなど、親の手を借りる
「辞めることにしたと知らせたい」なら報告です。
「辞めてもいいか聞きたい」なら相談で、親の返事によって会社に言う日も動きます。
「次が決まるまで実家に戻りたい」なら頼みごとで、ここは親の了解が要ります。
会社に申し出るのに、親の同意は要らない
民法4条は「年齢十八歳をもって、成年とする」と定めています。
5条の「未成年者が法律行為をするには、その法定代理人の同意を得なければならない」という決まりは、未成年者についてのものです。
20代や30代の人が会社に辞めると申し出るのに、親の同意を取る決まりはありません。
次に、雇用契約書か労働条件通知書の「契約期間」の欄を見ます。
手元に見当たらなければ、入社のときのメールの添付や、社内の書類の置き場を探します。
「期間の定めなし」とあれば、民法627条1項の「当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる」が当たり、雇用は申し入れから2週間で終わります。
会社が認めないと辞められない、という決まりではありません。
2週間は、申し入れを送った日ではなく、会社に届いた時から数え(民法97条1項)、初日は原則として数えません(民法140条)。
就業規則に「1か月前までに申し出る」などとあるなら、引き継ぎの日数も考えて、その日程で言えるかを先に見ておきます。
「〇年〇月〇日まで」と契約期間が決まっているなら、扱いが変わります。
期間の途中で辞めるには、会社との合意か、民法628条の「やむを得ない事由」が要ります。
その事由が一方の過失で生じたときは、相手に損害賠償の責任を負うことも、同じ条に書かれています。
自分の場合が当たるかは、後半に書く相談先で聞けます。
また、契約期間が1年を超える契約なら、労働基準法137条により、期間の初日から1年を過ぎたあとは、会社に申し出ていつでも辞められます。
ただし、一定の事業の完了に必要な期間を定めた契約は当たりません。
厚生労働大臣が定める基準に当たる高度の専門的知識等を持ち、それを必要とする業務に就く人の契約と、満60歳以上の人の契約も除かれます(労働基準法14条1項)。
自分が当たるか迷うときは、下の相談先で確かめてください。
出典: e-Gov法令検索「民法」第4条・第5条・第97条・第140条・第627条・第628条/e-Gov法令検索「労働基準法」第137条(当サイトで要約)
伝える順番は、頼みごとがあるかで決める
頼みごとが無く報告だけなら、会社に言うのが先で構いません。
退職日が決まってから親に知らせれば、決まったこととして話せます。
親に反対されても、会社とのやりとりはそのまま進みます。
上司に言う日をカレンダーで決める手順は、退職をなかなか言い出せないときに書きました。
実家に戻る、家賃を借りるといった頼みごとがあるなら、親に話すのを先にします。
会社に言ったあとで断られると、住む所やお金の段取りが崩れます。
この場合も、了解をもらいに行くのは頼みごとの部分だけです。
辞めること自体を許してもらう話にすると、親の返事が出るまで会社に言えなくなります。
親と同じ家に住んでいるなら、報告だけの場合でも、退職日が決まった週のうちに話す日を決めておきます。
迷っていて親の意見を聞きたいなら、相談は会社に言う前に済ませます。
そのときは、「今週末に話して、来週の月曜には上司に言うかどうか決める」のように、相談する期間を日付で区切っておきます。
親への言い方の例
伝えるのは、決めたことと退職日、それからこの先の暮らしの段取りです。
電話でも、家で顔を合わせてでも使える形にしました。
例1 報告(会社に言ったあと、〇は自分の言葉に入れ替える):
「仕事のことで報告があって、今の会社を〇月〇日で辞めることにしたよ
上司にはもう伝えてある
次の仕事は〇月から探して、それまでのお金は〇〇でまかなうつもり
心配かけると思うけど、決めたことだから、まずは知らせておきたくて」
例2 頼みごと(会社に言う前):
「今の会社を〇月ごろに辞めようと考えていて、上司にはこれから伝えるつもり
次が決まるまでの〇か月、家に戻らせてもらえないか相談したい」
「〇〇でまかなう」の所は、貯金が無ければ「〇月までは給料が入るので、そのあいだに次を探す」のように、分かっていることを入れます。
反対されたときの返し方
- 「せっかく入った会社なのに」→「そう思ってくれていたのは分かってる、それでも辞めると決めた」
- 「次が決まってからにしなさい」→「心配なのは分かる、次の仕事は〇月から探して、それまでのお金はこう考えている」
- 「どこへ行っても同じだよ」→「そうならないように次は選ぶつもり、今の職場は続けないと決めた」
- 黙ってしまった → 少し待ってから「今日は知らせたかっただけ、また話そう」と言って区切る
反対の言葉に、その場で全部答えなくて構いません。
親の心配が次の仕事やお金のことなら、退職日と次の段取りが見えた段階で、もう一度話す日を作ります。
上司への一言に、親の話を持ち込まない
上司に切り出すとき、親の意見を混ぜる必要はありません。
「親に反対されていて」と添えると、決めたことではなく、まだ家族で話している途中のことに聞こえます。
期間の定めのない雇用で、自分の都合で辞めると申し入れるなら、理由は「一身上の都合」で足ります。
契約期間の途中で辞める場合は、民法628条の「やむを得ない事由」が問題になるので、先に相談先で確かめてください。
最初の一言の組み立ては、上司に退職を切り出す最初の一言にまとめました。
上司と向かい合って話すこと自体がつらいなら、上司と1対1で話さずに伝える段取りもあります。
体の不調があるとき、自分の場合を聞きたいとき
眠れない、朝に体が動かないといった状態が続いているなら、会社や親に話す段取りより先に、医療機関を受診してください。
契約期間や就業規則の扱いなど、自分の場合を誰かに聞きたいなら、総合労働相談コーナーがあります。
厚生労働省の案内では、各都道府県の労働局や全国の労働基準監督署などに置かれていて、専門の相談員が面談か電話で応じます。
予約は要らず、無料です。
土日・祝日と年末年始(12月29日から1月3日)は閉まっています。
退職の連絡を代わりにしてくれる窓口ではないので、電話でも面談でも、聞きたいことを先にメモにしておきます。
出典: 厚生労働省「総合労働相談コーナーのご案内」(当サイトで要約)
今日と今週にやること
今日:
- 親に言いたいことを、報告・相談・頼みごとのどれかの形で1行に書く
- 雇用契約書か労働条件通知書で「契約期間」の欄を、就業規則で退職の申し出の時期を見る
今週中:
- 報告だけなら → 上司に言う日を先に決め、退職日が決まってから親に話す
- 頼みごとがあるなら → 週末に頼みごとの部分だけを親に話し、返事をもらってから上司に言う
- 相談したいなら → 親と話す日と、上司に言うかどうかを決める日を、手帳に2つ書く
- 契約期間が決まっているなら → 途中で辞めるときの扱いを、総合労働相談コーナーで聞く
紙に書いた1行の頭に「報告」「相談」「頼みごと」のどれかを書き足し、その横に、上司か親に話す日付を入れてください。
アイキャッチのイラストはAI生成です。



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