内定の返事を待ってもらう伝え方。他社の結果待ちのときに期限を相談する文例

内定の返事を待ってもらう伝え方。他社の結果待ちのときに期限を相談する文例 在職中の転職

内定通知のメールに「ご回答は〇月〇日までにお願いいたします」とある。
数えると、あと5日です。
第一志望の会社の最終面接はあさってで、結果はその翌週と言われています。

日付が合わないとき、取れる手は「どちらかをあきらめる」だけではありません。
返事の期限を延ばせないか、内定を出した会社に相談できます。
認められるかどうかは会社しだいですが、相談を持ちかけること自体は、失礼な申し出ではありません。

相談の前に、紙に日付を3つ書く

先方に何日待ってもらいたいのかを、こちらが言えないと話が進みません。
手帳の同じページに、次の3つを並べて書きます。

・内定をもらった会社の回答期限
・結果を待っている会社の、結果が出る見込みの日
・その結果を受けて、自分が決めるのに要る日数

結果の見込みが分からなければ、待っている会社の担当者に「選考結果はいつごろいただけますか」と聞いておきます。
面接の最後に聞く人もいますし、後からメールで聞いても失礼にはあたりません。
見込みの日に1〜2日を足したものが、お願いする期限の候補になります。

「少し待ってください」と幅を持たせた頼み方は、受ける側も返事に困ります。
「〇月〇日まで」と日付で言うほうが、社内で確認を取りやすく、通りやすくなります。

頼む日数は、結果の見込みに合わせた最短の日付にします。
内定を出した会社にも、ほかの候補者への連絡や、配属先の準備といった都合があります。
「念のため2週間」と多めに取ろうとすると、そのぶん相手の段取りを止めることになり、話が通りにくくなります。

電話で内定を告げられ、その場で返事を求められたら

内定の連絡は、メールより先に電話で来ることもあります。
仕事の合間に折り返したら、担当者から「いかがでしょう、ご入社いただけますか」と聞かれる。
ここで即答する必要はありません。

まずお礼を言い、書面で条件を確かめてから返事をしたい、と伝えます。
その場で回答の期限を聞いておけば、あとで相談するときの起点になります。
他社の結果待ちがあるなら、この電話の時点で「少しお時間をいただけますか」と添えておくと、あとから期限の話を切り出しやすくなります。

例(電話で返事を求められたときの一言):
「ご連絡ありがとうございます、うれしく思っております
条件の書面を拝見してからお返事したいのですが、いつまでにお答えすればよろしいでしょうか」

理由は、他社の選考と書いていい

期限を延ばしたい理由を、ぼかすか正直に言うか。
正直に言うと不利になる気がして、ここで迷います。
在職中の転職では何社かを同時に受けるのは珍しくなく、面接でほかの応募状況を聞かれることもあります。
「他社の選考結果を待っている」と伝えて、そのこと自体が評価を下げる理由になるとは限りません。

ただ、会社名や選考の段階まで細かく話す必要はありません。
聞かれたら、業種や「最終面接の結果待ち」くらいの答えで止めておきます。

家族と相談したい、という理由もよく使われます。
実際に家族の同意が要る転職なら、それも本当の理由です。
一方、実際は他社の結果待ちなのに家族の話だけをすると、後で「ご家族は何とおっしゃっていましたか」と聞かれたときに話がずれます。
使う理由は、後から聞き直されても困らないものにします。

まず電話、そのあとメールで残す

回答の期限が近いときほど、最初の一報は電話が向いています。
メールだけだと、担当者が読むのが翌日になり、そのぶん期限が近づきます。
電話で日付を相談し、話がまとまったら、同じ内容をメールで送って記録に残します。

電話がつながらなければ、メールを先に送ります。
その場合は、件名に「内定のご回答期限についてのご相談」と入れて、何の用件かが一目で分かるようにします。

例(回答期限の相談をするメール):
件名: 内定のご回答期限についてのご相談(〔氏名〕)

〔会社名〕人事部〔担当者名〕様

このたびは内定のご連絡をいただき、ありがとうございました
ご提示いただいた〔〇〇〕月〔〇〇〕日のご回答期限について、ご相談したく、ご連絡いたしました
現在、ほかに一社、選考の結果を待っている会社があり、〔〇〇〕月〔〇〇〕日ごろに結果が出る見込みです
すべての結果がそろったうえでお返事をしたく、〔〇〇〕月〔〇〇〕日までお時間をいただくことは可能でしょうか
勝手なお願いで恐縮ですが、ご検討いただけましたら幸いです

〔氏名〕〔電話番号〕

文の中で、入社への前向きな気持ちを大げさに書き足す必要はありません。
待ってもらう理由と、日付と、お礼。
この3つが入っていれば、相手は社内で相談を回せます。

延ばせないと言われたら

「他の候補者の選考もあるので、期限は変えられない」と返ってくることもあります。
採用の枠が1人なら、会社がそう答えるのはおかしな話ではありません。

ここで、ひとまず承諾しておいて、待っている会社から内定が出たら断ればいい、と考えたくなるかもしれません。
この先送りは、見た目より重い選択です。
厚生労働省のハンドブック「知って役立つ労働法」は、採用内定によって労働契約が成立したと認められる場合がある、と説明しています。
民法1条2項は、権利の行使と義務の履行は「信義に従い誠実に行わなければならない」と定めています。
承諾の返事を受けた会社は、そこから入社の準備を進めます。
断るつもりのある承諾は、相手の準備を空回りさせる返事になります。

出典: 厚生労働省「知って役立つ労働法~働くときに必要な基礎知識~」/e-Gov法令検索「民法」第1条(当サイトで要約)

残る手は、手持ちの材料で決めるか、待っている会社に結果を早められないか聞くかの、どちらかです。
待っている会社には、事情をそのまま伝えます。

例(結果待ちの会社に、時期を問い合わせる一文):
「ほかの会社から内定をいただき、〔〇〇〕月〔〇〇〕日までに回答を求められております
御社が第一志望のため、選考結果のお見込みだけでもお教えいただけないでしょうか」

早めてもらえなくても、見込みの日が分かれば、待つか決めるかの判断はつけやすくなります。
どちらの会社とのやりとりも、日付が入ったメールで残しておきます。

手持ちの材料で決めるときは、内定の出ている会社に入った場合の一日を、具体的に思い浮かべてみます。
通勤にかかる時間、任される仕事、面接で会った上司になる人の話し方。
そのうえで、結果待ちの会社でなければ手に入らないものが何かを書き出します。
書き出したものが「なんとなく第一志望だった」だけなら、目の前の内定を選ぶ理由のほうが具体的に見えてくることもあります。

期限までに確かめておく書類

待ってもらえた日数は、比べるための時間でもあります。
内定を出した会社から労働条件の書面をもらっていなければ、この間に出してもらうよう頼みます。
見る場所は内定承諾の前に労働条件通知書で確かめる項目に書きました。

延ばしてもらった期限は、自分で破らないようにします。
結果待ちの会社から返事が来なくても、約束の日には、何らかの返事を入れる。
もう一度延ばしてもらう相談をするなら、それも期限の前日までです。

待っている会社から先に結果が来て、そちらに決めたなら、待ってもらっていた会社には約束の日を待たずに、その日のうちに辞退を伝えます。
期限を相談したのと同じ担当者に、まず電話で伝えます。

反対に、待っている会社が不採用だったときも、すぐに返事を入れてかまいません。
期限ぎりぎりまで寝かせる理由はありません。
「お待ちいただきありがとうございました」の一言を先に置いてから、入社の意思を伝えます。

手帳に書いた3つの日付のうち、まだ空欄のものはどれでしょうか。

アイキャッチのイラストはAI生成です。

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